1862年フランス・パリで創業した老舗パティスリー、ラデュレ(Ladurée)。今では知らない人のいない定番スイーツとなった「マカロン」を産み出した世界的パイオニアとして愛され続け、国内でも根強いファンが多い。
そんな「ラデュレ」の名を、スイーツマニアの方々なら一度は聞いたことがあるだろう。聞いたことない場合は、「スイーツ界のGAFA」程度にざっくりイメージを持っていただければ幸いだ。
本日は、そんなラデュレの看板メニューにして裏メニューとも言える「マカロンタワー」について述べていく。
ラデュレのマカロンタワーとは?
ラデュレファンの方は既にご存知かもしれないが、ラデュレは単品マカロン、セットのマカロンボックスの他にも、タワー型の「マカロンタワー」を販売している。マカロンを何段にも積み上げてタワー型に飾った贅沢な一品である。聞き馴染みのない言葉かもしれないが、その見た目の華やかさ故に近年ではウェディングケーキのポジションを奪いつつあるなど、大衆認知を獲得しつつある。
とは言え、そんな非日常感溢れるマカロンタワーは、結婚式など余程のイベント事がない限りは中々お目にかかることができない。そのため、全国民の99%は生のマカロンタワーを見たことがないというの実情だろう。
だからこそ、意外と簡単に、そしてリーズナブルに入手可能な「ラデュレのマカロンタワー」を、本記事ではじっくりと紹介していきたい。
また、実際に筆者が予約注文をし、食してみたその実録レポートを公開するので、これから注文を検討されている方にはぜひ参考にしていただきたい。
マカロンタワーのサイズ
ラデュレのマカロンタワーは、20個5段組からなる「ミニサイズ」から370個(段数不明)の「サイズ6」まで8サイズ展開がある。最上位のフラッグシップタワーは157,896円(税込)、もっとも小さいミニサイズは10,368円(税込)。そう、エントリーモデルであれば1万円ちょっとで買えるのである。
誕生日ケーキ2個分、と例えると少々身構えてしまう金額かもしれないが、1万円で非日常感・お姫様感たっぷりなマカロンタワーを買えると考えると、意外とリーズナブルな料金設定ではないだろうか。
ちなみに少々下世話な比較ではあるが、マカロンを単品で20個買った場合は税込6,060円、370個買った場合は税込112,110円となる。そのためマカロンタワーの値段のうち3割~4割が技術料・土台制作費に相当する、といったとこだろうか。同じ料のマカロンを食べようと思ったとき、マカロンタワーで注文した場合は単品で注文した場合の1.5倍お金が掛かる。
とはいえ、そんな現金な比較をしていても仕方がない。マカロンタワーを注文する私たちは、単にマカロンを買うのではなく、お姫様気分に満ちた上質なひとときを買うからである。
注文方法
さて、気になる予約方法に移ろう。今回は、一般的なちょっとした記念日や晴れの日使いを想定して、小型モデルの「ミニサイズ」「ハーフサイズ」を注文する場合に特化して説明する。結婚式を想定した大型モデルの注文方法については最寄りのブライダルサロンに相談してくれ。
実は、ラデュレのマカロンタワーはWeb注文ができない。それどころか、クール便で送ってもらうことも原則できないようである。筆者実際に予約をしようとしたときに、ラデュレ公式ページ中を探しても一向にマカロンタワーに関する情報が見当たらず困惑したものである。
そのため、現時点での唯一の注文方法は、「最寄りのラデュレに行き、予約をお願いする」方法のみとなる。生活圏にラデュレが無い方にとっては残念ながらこの時点でハードルがめちゃくちゃ高くなってしまう。
ちなみに、私は日本橋三越店で予約をお願いしたが、全てのラデュレ店舗でマカロンタワーの注文が可能かどうかは未確認である。はるばる遠くから尋ねたのに、マカロンタワーの注文を受け付けてくれなかった、という悲劇が起こらないよう、事前に訪問店舗へ電話で確認をしよう。
予約には余裕をもって
そして、ラデュレ店舗へ行っても、その場ですぐマカロンタワーが手に入るわけではないのでご注意。マカロンタワーは特注品のため、予約から受け取りまで最低14日間を要するのである。要するに、記念日などでマカロンタワーの受け取り日時が決まっている場合は、14日以上前もって一度来店をして予約をお願いし、受取当日に再度来店してタワーを受け取る、という流れになる。
※クリスマスなどの繁忙期はより事前に予約をする必要があるかもしれない。
シビアな賞味期限
では余裕を持って記念日の2、3日前に受け取りに行こう、とお考えのあなた。マカロンタワーがシビアなのは予約準備期間だけでなく、賞味期限にもご注意。なんと、マカロンタワーの賞味期限は、公式には受取当日とされている。冷蔵庫に保管していたとしても(そもそも高さのあるタワーなので冷蔵庫に保管するのもそれはそれで大変です)おいしくいただけるのは受取日当日限定、というシビア案件なのである。
この時点で、マカロンタワーを受け取りおいしく食べるには、いかに綿密なスケジュール調整が必要かがお分かりいただけただろうか。
実際に予約注文しに行ってみた
さて、ここからは実際に日本橋三越店へマカロンタワーの予約を取りに行った際のレポートを紹介する。細かい流れについても記載しているので、しっかりと参考にしていただきたい。
最寄りのラデュレに到着したら、店員さんにマカロンタワーの注文をしに来た旨を告げよう。サイズや受け取り希望日時など尋ねられるので、希望を伝える。
マカロンの味(色)を二つ選ぼう
そして、注文の際にもう一つ、希望の味(色)の組み合わせを尋ねられる。ラデュレのマカロンタワーは、好きな味を好きな割合で自由に組み合わせられる訳ではなく、二つ味を選択して規定の配置で並べることになるので要注意。
また、マカロンの味は店頭に並んでいるものの中から自由に選べるわけではなく、タワー用に選択できるものとそうでないものとがあるのでご注意。具体的には、ジャムを使用した味(フランボワーズ等)は、賞味期限の関係上選択不可で、またシルバニアデザイン等の限定マカロンも選択することができない。
店員さんとの会話が少しうろ覚えになってしまうが、マカロンタワーに使用するマカロンは、四日以内に製造されたマカロンを使用しているらしく、そのためシビアな鮮度が求められるジャム系マカロンはタワー用に使用ができないとのことである。
そうなると、事実上選択可能なのは、ピスタッシュ、マリー・アントワネット、ヴァニーユ、ローズ、キャラメル、シトロン、ショコラの7種類だ。
この中から、お気に入りの味を二つ選んでも良いが、やはり見た目も楽しいマカロンタワーを注文するからには、色味重視でかわいい組み合わせを選ぶという手も捨てがたい。店員さんいわく、人気の組み合わせは見た目の華やかさ故に、ピスタッシュ、ヴァニーユ、ローズあたりを用いた組み合わせだそう。
ちなみに、筆者はピスタッシュとヴァニーユ、の緑+白の組み合わせにした。ラデュレのブランドカラーを彷彿とさせる、なんとも無難なチョイスであるが、マカロンタワー初挑戦でのトライということで大目に見ていただきたい。ぜひ読者の皆様も、思い思いのセンスを光らせてオリジナルのカラーリングに挑戦していただきたい。
また、誕生日祝い用途であれば、マジパンメッセージプレートを追加できる。主役の名前を伝えて、バースデーメッセージを書いてもらおう。
ちなみに予約時に代金を払うシステムだ。お金を払ってしまった以上、急に気が変わったとしても、記念日がなくなったとしても、もうバックレは許されません(もっとも、甘いものを愛してやまない当スウィート・サティスファクトリー読者の中にそんな汚い心を持った方はそもそもいないことでしょう!)
代金の支払いが完了すると、引き換え用の伝票がもらえるので、当日まで伝票を大切に持っておくようにしよう。
受取日変更は可能?
ちなみに、この後筆者はスケジュール変更を余儀なくされたため電話で受取日の変更をお願いしたところ、快く受けて下さった。
ただ、既に予定受取日まで14日を切ってしまっている場合や、受取日を前倒しにして14日先より前の日程にリスケしたい場合などは、残念ながらスケジュール変更不可となるので要注意。
受け取り当日
受け取り当日は、なるべく少ない手荷物で受け取りにいこう。マカロンタワーは思った以上に大きい。
マカロンタワーの注文は滅多に入らないためか、受け取り伝票を店員さんに差し出すと、すぐに察して用意をしてくださる。
そして待ちに待ったマカロンタワーが目の前に運ばれてきた。そして、写真撮影用にとのことで、商品棚のうち普段は決して開けることのないドロワー(!)を引き出して下さり、マカロンタワー撮影用のちょっとした特設ブースを用意してくれた。そんなちょっとしたVIP待遇に、心なしか、周囲のお客さんも興味津々だ。
何枚か写真を撮り終え、満足した旨を店員さんに伝えると、マカロンタワーは一度回収された後、保冷剤を施した手提げ袋に入って戻ってきた。1時間半分のドライアイスが心強い。遠方から受け取りに行く人は予め必要移動時間を伝えておくとより安心だろう。
余談だが、この日は丁度シルバニアファミリーとのコラボキャンペーン真っ只中だったらしく、シルバニアとの貴重なコラボショットもいただいた。
ちなみにマカロンタワーは結構頑丈な作りになっており、ちょっとやそっと揺れたくらいではびくともしない。また一件生クリームたっぷりのように見えるタワー本体や土台も、実はクリーム製ではない。ぶつかったりしても、よほど強い衝撃でなければ形が崩れる心配はないだろう。
とは言え完全に倒れたりするとちょっと不安なので、持ち運びには車ではなく公共交通機関の使用をお勧めする。
繰り返しになるが、マカロンは生物(なまもの)なので、賞味期限には気を付けたい。不用意に屋外を持ち歩いたりせず、速やかに自宅へ持ち帰って冷蔵庫に入れておこう。マカロンタワーの高さは一番小さいミニサイズでも25cmあるので、相応のスペース確保を前もって行う必要があることも留意したい。
いかがでしたでしょうか?
以上が、ラデュレのマカロンタワー注文実録レポートの前半戦だ。後半戦では、気になる味や、タワー本体の中身(マカロン以外の部分はいったいどうなっているのか!)、そして賞味期限を過ぎてしまった場合の対処法について述べていく。
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